医療法人真愛会 真鍋クリニック

東京都羽村市にある眼科・耳鼻科クリニックのブログです。

白内障の手術をしたら飛蚊症が増えた

こんにちは!

東京都羽村市にある医療法人真愛会 真鍋クリニックです。

 

GWも後半に差し掛かっていますが、今日も相談者様からのご相談に回答させていただきます。

 

 

母が昨年白内障の手術をしたのですが、思ったように見えるようにならず、先日黒い虫がいっぱい見えると言い出し、飛蚊症だと診断されました。


高齢なので仕方ないのですが、このまま目の不調が続くのてしょうか?

 

40代・女性

 

 

お母様が白内障の手術をされて、その後見え方が芳しくないのと、飛蚊症が増えた様な感じがするのですね。

 

まずお母様のご年齢にもよりますが、白内障の手術をされた後に見え方が思ったよりも良くない、という患者様は当院でもたまにいらっしゃいます。

 

この原因として考えられることは、目の奥の「網膜」という箇所に何らかの病気か、病気までは行かなくとも網膜が少し傷んでしまっていることなどが考えられるかと思います。

 

凄くざっくりお話すると、視力を構成する要因として挙げられるものは、「水晶体」と「網膜」二つになります。

 

水晶体」というのはいわゆる「白内障」が出てくる部位のことで、「水晶体が濁ること=白内障」の状態です。カメラで言うと「レンズ」に当たる部分がこの「水晶体」になります。

 

一方、もう一つの「網膜」は、物見るための細胞が多く集まっている部位で、カメラで言うと「フィルム」に当たる部分になります。

 

 

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この「網膜」に何らかの異常があった場合、白内障の治療を行っても視力が思ったより改善しない、ということが起こり得ます。

 

お母様の状態を実際に診察している訳ではないので、あくまでも憶測にはなりますが、

もしかすると「網膜」に何らかの異常があるのかもしれませんね。

 

 

また、二つ目のご質問の「飛蚊症」についてですが、白内障の手術をすると、飛蚊症が一時的に増えることがあります。

これには理由が二つあって、一つは、元々飛蚊症はあったものの、白内障が進行していたためにそれに気が付かなかった場合です。これは、白内障の手術を受けることで見え方が改善するため、かえって今まで気にならなかった飛蚊症が気になってしまうために起こります。

 

二つ目の理由としては、術後1週間程度は目の中に手術の炎症が起こっている状態になりますので、炎症細胞がチラチラと目の中を浮遊していることによって、それが飛蚊症の様に見える、というものです。

 

ただしどちらも時間の経過によって気にならなくなってきますので、そのままかかりつけ医の元で定期的な診察を受けていただければ問題ありません。

 

せっかく白内障の手術を受けたのに視力があまり改善しないと、いうことを避けるためにも適切なタイミングで手術を受けるようにしましょう。

 

手術の時期についてはかかりつけの先生によく話を聞いて、決められてみてくださいね。

 

ご参考になれば幸いです!